乳頭(ちくび)・乳輪に「びらん・ただれ・湿疹・かゆい」などの症状がある方は「乳がん」や「女性ホルモンの影響」や「アトピー性皮膚炎」などの可能性があります。症状が悪化したり、なかなか改善がなかったり、どんどん範囲が広っていく場合などは、我慢せずに乳腺外科へ受診してください。
乳頭(ちくび)・乳輪の「びらん・ただれ」の原因の可能性として
1.女性ホルモンの影響で起こる「びらん・ただれ」
女性ホルモンの影響により乳頭から分泌物がでることがあり、それにより皮膚が接触性皮膚炎のような状態となりびらん・ただれを起こすことがあります。根本的な治療はないため繰り返すこともありますが、異常なものではないので保湿などで経過観察となります。症状がひどい場合はステロイド剤の塗布などを行います。
2.アトピー性皮膚炎で起こる「びらん・ただれ」
アトピー性皮膚炎が背景にある場合に、びらん・ただれを起こすことがあります。ステロイドなどの治療で軽快することが多く、皮膚科でも対処できるものになります。
3.乳がん(パジェット病)で起こる「びらん・ただれ」
パジェット病という、乳がんの一種でおこるびらん・ただれもあります。乳輪やその周囲までひろがることがあり、マンモグラフィ・超音波などの画像検査や細胞検査などで診断を行います。治療は基本的に切除となります。
ご注意ください
「びらん・ただれ」の原因が①、②であれば基本的には経過観察や薬剤塗布などで改善しますが、原因が③であることの除外が必要となりますので、以下の場合は受診ください。
乳頭(ちくび)・乳輪の「びらん・ただれ」による受診の目安
- なかなか改善しない時
- どんどん範囲が広がる、症状が悪化している時
- 繰り返す時
乳頭(ちくび)・乳輪の「湿疹」の原因の可能性として
1.ホルモンの影響で起こる「湿疹」
女性ホルモンの影響により乳頭から分泌物がでることがあり、それにより皮膚が接触性皮膚炎のような状態となり湿疹ができる場合があります。
根本的な治療はないため繰り返すこともありますが、異常なものではないので保湿などで経過観察となります。症状がひどい場合はステロイド剤の塗布などを行います。
2.アトピー性皮膚炎で起こる「湿疹」
アトピー性皮膚炎が背景にある場合に、乳頭・乳輪にも湿疹ができることがあります。ステロイドなどの治療で軽快することが多く、皮膚科でも対処できるものになります。
3.接触で起こる「湿疹」
下着などの接触によって起こる湿疹です。程度がひどい場合はステロイド塗布などで対処します。下着の素材を変えたり、大きさの見直し(ご自身の胸の大きさや形にフィットするもの)などをしていただくことで改善する場合も多いです。
4.乳がん(パジェット病)で起こる「びらん・ただれ」
パジェット病という、乳がんの一種でおこるびらん・ただれもあります。乳輪やその周囲までひろがることがあり、マンモグラフィ・超音波などの画像検査や細胞検査などで診断を行います。
治療は基本的に切除となります。
乳頭(ちくび)・乳輪の「湿疹」による受診の目安
- なかなか改善しない時
- どんどん範囲が広がる、症状が悪化している時
乳頭(ちくび)・乳輪の「かゆい」の原因の可能性として
1.女性ホルモンの影響で起こる「かゆい」
女性ホルモンの影響で感じるかゆみです。皮膚の変化(びらん・ただれなど)はある場合もない場合もあります。
生理周期に合わせてかゆみを感じたり、感じなくなったりすることもあります。基本的には経過観察でよい症状です。
2.アトピー性皮膚炎で起こる「かゆい」
アトピー性皮膚炎が背景にある場合に、乳頭・乳輪部にもかゆみが出ることがあります。ステロイドなどの治療で軽快することが多く、皮膚科でも対処できるものになります。
3.接触で起こる「かゆい」
下着などの接触によって起こるかゆみです。湿疹なども伴うことが多く、その場合は程度によってはステロイドの治療も行います。下着の素材を変えたり、大きさの見直し(ご自身の胸の大きさや形にフィットするもの)などをしていただくことで改善する場合も多いです。
乳頭(ちくび)・乳輪の分泌物「かゆい」による受診の目安
- どんどん症状が悪化している時
- かゆみ以外に皮膚の変化などが出て来た時