不正出血とは
生理の時以外で膣から出血した場合は「不正出血」になります。鮮血や茶色っぽい血が出る場合や、おりものに血が混ざったような場合も、不正出血に該当します。一度の出血では「様子をみようかな」と思うこともあるかもしれません。
しかし、その出血が重大な疾患が隠れているサインの場合もあります。自己判断はせずに、不正出血があったら婦人科を受診することを強くおすすめします。
不正出血の原因として
不正出血の原因は大きく分けて5種類あります。
1.炎症による出血(性感染症が原因の場合)
性感染症である「淋菌・クラミジア・トリコモナス」に感染することにより、子宮の入り口(子宮頚部)や膣内に炎症が起きます。それにより、性交渉時に出血が起こりやすくなり、生理以外に出血が起きる場合があります。
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2.機能性出血(ホルモンバランスの乱れが原因の場合)
病的な原因ではなく、体のホルモンバランスの乱れた時に起こる出血です。環境の変化によるストレスがある時や、思春期や更年期などのホルモン量が不安定な時期に起こりやすくなります。
3.中間期出血(排卵期に出血している場合)
生理と生理の間で、排卵の時期に出血がある場合があります。生理的な出血で病的なものではありません。
4.器質性出血(何らかの病気が原因の場合)
膣、子宮、卵巣などに異常があり、病気が原因で出血している場合です。考えられる疾患としては、子宮頸がんなどの「がん」や、子宮頸管ポリープ、膣炎、子宮内膜症などがあります。
5.その他出血(妊娠した時の出血、性交などで膣内が傷ついたことによる出血)
不正出血には上記以外にもさまざまな原因が考えられます。妊娠初期の症状として出血する場合もあれば、甲状腺などの全身の病気が原因で出血することもあります。
不正出血の原因となる疾患
不正出血の原因はホルモンバランスの乱れのほか、怖い病気が潜んでいる可能性もあります。
子宮・卵巣でおこる出血①②
- 機能性出血…無排卵やホルモンバランスの乱れで起こる。
- 卵巣腫瘍…卵巣にできる腫瘍。どの年代でもできる可能性がある。
子宮筋層でおこる出血③
- 子宮筋腫…子宮にできる良性のこぶ。不正出血のほかに、月経量が増加(月経の異常)がみられることもある。
子宮内膜でおこる出血④
- 子宮内膜ポリープ…子宮内部の良性のできもの。増殖した細胞が内側に突出してできる。
- 子宮内膜炎…子宮内に細菌などが入り込んで炎症して起こる。腹痛や発熱、おりもの異常をともなう場合もある。
子宮頸部・膣部・膣でおこる出血⑤⑥⑦
- 子宮頸管ポリープ…子宮の入口付近にできる良性のできもの。少しの刺激で出血しやすい。
- 頸管の炎症…子宮の入口に細菌が入って起きる炎症。
- 子宮頸がん…子宮の入口付近に起こるがん。若年層での罹患が増加している。
- 膣部びらん…内膜が赤くただれた状態になること。性交時の出血や炎症による不正出血を引き起こす。
- 膣炎…膣内部で起こる炎症。原因はさまざまで、かゆみをともなったり、おりものに異常がみられる場合もある。
- 膣がん…膣の内壁に発生するがん。
子宮体部でおこる出血⑧
- 子宮体がん…子宮の内部にできるがん。自覚症状として不正出血や、血の混じったおりものが出る。
不正出血があったら、どうすればいいの?
不正出血があった場合、出血の様子を見て病気によるものなのか自己判断することは大変危険です。不正出血には、子宮頸がんや子宮体がんといった大きな病気から子宮筋腫や子宮内膜症、性感染症などの治療が必要な病気もあります。
ホルモンバランスの乱れからくるものだと自己判断したりせず原因を特定するために、おかしいと思ったらすぐに婦人科を受診しましょう。
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不正出血の治療
不正出血があった場合、原因を特定するために検査をする場合があります。年齢や症状、性交経験の有無によって検査の内容は変わります。
不正出血の原因がわかったら、症状に応じて治療を行います。
ホルモンバランスの乱れによる出血
すぐに出血が止まるようなら経過観察となる場合があります。長期間出血が続く場合、ホルモン剤による止血を行います。
ポリープなどが見つかった場合
部位によっては簡単な処置で摘出することができます。
膣炎、子宮頚管炎など炎症があった場合
炎症の原因となっている菌に対する抗生剤を処方します。
悪性腫瘍(がん)の可能性があった場合
すぐに適切な処置ができる病院に紹介します。
妊娠による出血の場合
妊娠初期として診察します。その後は産科で継続した診察が必要になります。当院では分娩を希望される医院へ紹介状をお出ししています。
「ルナルナ メディコ」を導入しています
「ルナルナ」をお使いの患者様は来院時にルナルナデータ番号を発番して受付時に番号をお知らせください。