生理のお悩みで「生理痛・生理こない・時期がバラバラ・出血量が多い・血のかたまり・イライラ」の症状のある方は「子宮内膜症」「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮頚管ポリープ」「女性ホルモンの異変」「月経困難症」「多嚢胞性卵巣症候群」「甲状腺疾患・脳腫瘍」などの可能性があります。

生理(月経)の異常「生理痛(月経痛)」の原因の可能性として

1.月経困難症が原因の「生理痛(月経痛)」

特に子宮・卵巣に異常がないけれど月経痛が強い方を月経困難症といいます。生理痛の原因として一番多いです。冷えやストレスで症状が悪くなる方もいます。

2.子宮内膜症が原因の「生理痛(月経痛)」

子宮内膜組織が卵巣や子宮の周りの組織に入り込む病気を子宮内膜症といい、生理痛や月経量が多くなる原因となります。妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

3.子宮筋腫が原因の「生理痛(月経痛)」

子宮の壁に良性のこぶができる病気を子宮筋腫といい、生理痛や月経量が多くなる原因となります。こちらも妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

4.子宮腺筋症が原因の「生理痛(月経痛)」

子宮の壁が厚くなり、子宮全体が大きくなる病気を子宮腺筋症といい、生理痛や月経量が多くなる原因となります。こちらも妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

生理(月経)の異常「生理痛(月経痛)」による受診の目安

  • 市販の痛み止めを飲んでも痛みが収まらないとき
  • 毎回の月経痛で繰り返し痛み止めが必要になるとき

生理(月経)の異常「生理こない(無月経)」の原因の可能性として

1.18歳になっても月経がない原発性無月経

18歳になっても月経がない方は、原発性無月経と定義され、「月経はあったことがあるけど、前の月経から3か月以上月経が来ない状態」 = 続発性無月経と区別しています。

原発性無月経の原因としては、染色体異常、子宮・卵巣の奇形、内分泌疾患(内科的な疾患)があげられます。ただし、現在では15〜6歳の時点で月経がない場合、婦人科に来院される方が多く、その時点で原発性無月経の原因となるものがないか検査を行うことが多くなっています。

2.生理不順が原因の「生理こない(無月経)」

生理不順を放置しておくと、女性ホルモンの分泌が悪くなり、前の月経から3か月以上月経が来ない=続発性無月経状態が起こることがあります。そのまま放置すると早発閉経に至ったり、いざ妊娠しようとしたときに妊娠しずらかったり、生理不順の治療薬への反応が悪くなってしまう原因となります。

3.早期閉経が原因の「生理こない(無月経)」

40歳より前に月経が永久に止まってしまう状態です。卵巣からの女性ホルモン分泌がほとんどない状態になってしまいます。放置しておくと将来骨粗しょう症が増えることが知られており、女性ホルモンの補充を必要とします。

4.甲状腺疾患・脳腫瘍が原因の「生理こない(無月経)」

子宮・卵巣に異常がなくても、甲状腺という代謝をつかさどるホルモンに異常があったり、脳腫瘍など脳から出て月経にかかわるホルモンの異常がある場合、生理が来なくなることがあります 採血してホルモン値をみて異常がないか確認します 異常がある場合内科などに紹介する場合があります。

5.閉経が原因の「生理こない(無月経)」

40後半から50代の方で、1年間全く生理が来なくなると、そこで閉経といいます。閉経自体は正常なことなので、特に薬を使って月経を起こす必要はありません。ただし、この年代の方は癌が増えやすいですので、1〜2年に1回はがん検診(子宮頸部細胞診)と超音波で子宮・卵巣に異常がないか確認いただくようお勧めしています。

6.妊娠が原因の「生理こない(無月経)」

妊娠中は生理が来なくなります。これは異常ではありませんが、赤ちゃんがきちんと発育しているか定期的な健診が必要になります。

生理(月経)の異常「生理こない(無月経)」による受診の目安

  • 高校生になったけど一度も生理がきていない
  • 40前半以下の年齢の方で前の月経から2か月以上あいている
  • 40後半から50代の方で1〜2年に1回のがん検診、超音波検査を受けていない

生理(月経)の異常「時期がバラバラ(月経不順)」の原因の可能性として

1.ホルモンバランスの乱れが原因の「生理の時期がバラバラ(月経不順)」

過度にストレスがかかったり、急激な体重の増減があったり、何らかの原因でホルモンバランスが乱れたりすると生理の時期がバラバラになるときがあります。1回だけ、年に1〜2回だけということでしたら特に薬での治療は必要ない場合もあります。

2.多嚢胞性卵巣症候群が原因の「生理の時期がバラバラ(月経不順)」

一度にたくさんの卵胞発育が起こり、生理がうまく規則的に起こらない他嚢胞性卵巣症候群がベースにある場合があります。男性ホルモンやHbA1cという糖尿病の指標が高い場合があります。

日本人女性の20〜30人に1人いるといわれることもありますが、月経不順や大きなホルモン異常がなければ治療は必要ありません。月経不順があったり、妊娠希望がある場合は治療が必要になる場合が多々あります。

3.無排卵性が原因の「生理の時期がバラバラ(月経不順)」

排卵が起こらずに月経が来てしまう場合があります この場合前の月経から2週間ぐらいで月経が早く来たり、逆に遅れたり、また出血が長期間続いたりすることがあります。

妊娠希望の場合は不妊治療が必要になる場合があります。

妊娠希望がない場合は薬で月経周期を整えて排卵が起こりやすい状態を作っていきます。

生理(月経)の異常「生理が来ない(無月経)」による受診の目安

  • 妊娠の可能性はないが、生理が2週間ほど遅れている
  • 妊娠の可能性があって、生理が1週間ほど遅れている

生理(月経)の異常「出血量が多い(過多月経)」「大きな血のかたまり」の原因の可能性として

1.子宮内膜症が原因の「生理中の出血の量が多い(過多月経)」「大きな血のかたまり」

子宮内膜組織が卵巣や子宮の周りの組織に入り込む病気を子宮内膜症といい、月経量が多くなったり月経痛が起こる原因となります。妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

2.子宮筋腫が原因の「生理中の出血の量が多い(過多月経)」「大きな血のかたまり」

子宮の壁に良性のこぶができる病気を子宮筋腫といい、月経量が多くなったり月経痛が起こる原因となります。こちらも妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

3.子宮腺筋症が原因の「生理中の出血の量が多い(過多月経)」「大きな血のかたまり」

子宮の壁が厚くなり、子宮全体が大きくなる病気を子宮腺筋症といい、月経量が多くなったり月経痛が起こる原因となります。こちらも妊娠中や閉経すると症状がよくなることが多いです。

生理(月経)の異常「出血量が多い(過多月経)」による受診の目安

  • 1〜2時間で昼用ナプキンがいっぱいなる、もれやすいなど日常生活に支障を感じる場合
  • 生理量が多めの方で、健診で貧血を指摘された場合

生理(月経)の異常「生理前のイライラ(月経前症候群)」の原因の可能性として

1.女性ホルモンの変動が原因の「生理前のイライラ(月経前症候群)」

正常な生理では、排卵後に出てくるホルモンがあったり、生理前に女性ホルモン量が減少します。そのホルモン変動により、自律神経に影響が出てイライラしたり、気分がひどく落ち込んだりする場合があります。ストレスや、睡眠不足などでも同様の症状がでることがあります。

生理(月経)の異常「生理前のイライラ(月経前症候群)」による受診の目安

  • 生理2週間前から生理直前に症状がでてきて、生理のたびに繰り返す場合